複数パート・副業の割増賃金

採用したAさん、他にもパートしてるんだけど、気をつけることはあるかなぁ。

そうですねぇ。
過労で体調を崩さないよう健康管理についてコミュニケーションをとることが大切です。

それから、通算して1日8時間・1週40時間以上働いた場合には割増賃金が発生しますよ。

うちの職場では3時間しか働かないから割増賃金にはならないでしょ?

通算方法は、
先に契約した会社の勤務時間に、後から契約した会社の勤務時間を加えます。
例えば、先に契約した会社で5時間以上働く場合、後に契約した会社で3時間しか働かなくても割増賃金が発生します。

えっ!うちの方が後から契約したから割増賃金になるかもしれないんだね。
1日何時間働くのか確認しなくちゃいけないな。

そうですね。
1日8時間超えないようにシフトの組み方などを工夫できるといいと思います。

1日の労働時間を通算して、8時間超えた場合に割増賃金が発生します。

午前午後割増賃金
先に契約した会社
5時間勤務
後に契約した会社
4時間勤務
後に契約した会社の
勤務1時間分
※先契約5h+後契約4h-法定労働時間8h=割増賃金1h
午前午後割増賃金
先に契約した会社
5時間勤務
後に契約した会社
4時間勤務
後に契約した会社の
勤務1時間分
※勤務時間が早くても、後に契約した会社が割増賃金を支払います。

残業した場合は、時間の早い順に加算して8時間を超えたら割増になります。

午前残業午後割増賃金
(先契約)会社
4時間勤務
(後契約)会社
5時間勤務
(後契約)会社
1時間残業
(後契約)会社の勤務1時間
(後契約)会社の残業1時間
※先契約4h+後契約5h+午前残業1h-法定労働時間8h=割増賃金2h

午前残業午後割増賃金
(先契約)会社
4時間勤務
(先契約)会社
1時間残業
(先契約)会社の残業1時間
(後契約)会社
5時間勤務
(後契約)会社の勤務1時間

残業させる場合には、36協定の提出が必要です。
36協定で延長できる時間は、それぞれの会社での残業時間が対象になります。